2015. 09. 23  
北又谷は、I氏が長年実施できずに抱え続けていた計画だったが、ようやく実施することができた。
初日の雨による増水と寒さ、そして年齢からくる発熱量の少なさから、下流域はほとんど高巻きに終始したが、遡行するにつれて水線通しに行けるところも増えてきて、充実した山行になった。

19日
小川温泉から、終始雨が降り続く中、林道を歩く。
ひたすら登り続けるきつい道だが、越道峠まで1時間35分。Iさん、速すぎでしょ。
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越道峠からは初雪山へ続くという登山道を辿る。
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越道峠に降りている尾根が、曲がりくねって最後に1083.9Mの小ピークに詰め上がる手前の鞍部を北へ抜け、北東にある1097Mのピークとの間の鞍部まで登山道を辿る。
鞍部からは、魚止滝手前、700M付近で北俣谷に出合う右岸の枝沢を下降する。
I氏は普段ほとんど水流がない沢のはずだが・・・と言っていたが、谷の規模なりの水流はあった。
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出合で一服して遡行を開始する。
水の色は少し笹濁りが入っているようで、水量も多いようだ。
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右岸を進みすぎて、少し泳いで対岸に渡る。
水圧もさることながら、水温が低くてすぐに寒くなる。
林道を飛ばしすぎたツケで、脚の動きも鈍くなる。ペース配分は重要ですよ。
雨は降り続くし、気温は低いし、冷たい風は吹くし・・・、体温を回復させる要素は濡れないで動くことだけ。
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一時期は釜が埋まって2Mになったと言われていた魚止滝だが、4Mくらいの落差になっている。
右壁のバンドから越えられそうだったが、I氏が左岸を巻き気味に進み、上部からバンドに降りようとしたが断念。
結局、左岸を高巻いた。
一旦、流れが見えるところまで下降するが、魚止滝同様釜をもった滝が見えたので、恵振谷出合まで巻いて、懸垂2Pで沢床に戻った。
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出合の先には、すぐに大釜に水流を落とす4M滝が懸る。
泳いで右壁に取付こうと試みるパーティも多いらしいが、そんなことしてたら低体温症になってしまいそうなので、あっさりと左岸を巻くことにする。
ここも一旦流れが見えるところまで下降したが、釜に浸かりそうな滝があったので、さらに先まで巻いて、ルンゼを挟んで懸垂3Pで沢床に降りた。
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時間も押していたので、平坦地は得られないが、増水には何とか耐えられそうな所で幕場とした。
焚き火ができたのがせめてもの救いで、各々、斜面に寝てずり落ちては這い上がったりを繰り返したり、岩の隙間に入り込んで横になったりしていた。

20日
初日の幕場。
幸い一晩雨は降らなかったので、タープの外の岩の隙間に寝た2名も、濡れずに朝を迎えた。
この日は、まず左奥に見えている1.5Mの滝を右壁から越える。
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出だしは、へつり主体の遡行が続く。
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次第に開けてきて、河原も出てくる。
写真は、大淵を回り込む。
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ミズカミ沢を過ぎて、激流の落込みの手前の深場を突破しようと試みるが、敢え無く押し流される。
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左岸を小さく巻いて、懸垂下降。
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谷が左へ曲がっていくあたり、左岸に細い滝が数本続くV字の谷となっている。
谷の前方に見える陽の当たった斜面が暖かそうだぞ、さぁ急げ!
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白金沢出合で、日光浴をしながら休憩タイム。
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もう少しで漏斗谷というところで、釜を持った滝が続く。
ここも左岸を巻く。
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懸垂無しで沢床に戻ると、間もなく漏斗谷出合に着いた。
水量比は、ほぼ(1:1)。
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だいぶ水量が減ったが、まだ多い。ゴルジュを進む。
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2M滝が出てくるが、両側にバンドがあって簡単に越えられる。
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ナメコを発見、収穫する。
はからずも、今晩の予定は赤出汁。最高のナメコ汁になった。
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標高900M付近、花崗岩の白く美しいツルツルの側壁を持った7M滝が懸る。
大高巻きを嫌って右岸に取付くが、上部は草付で手が出ず、ハーケンを打って懸垂で戻る。
左岸への取り付きは簡単で、登ってみると、滝上にゴルジュが続き、奥にはツルツルの大岩を滑る3Mくらいの滝が懸っているのが見えた。
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沢床に戻ると、谷幅がやや広がるが、今度は雪渓が出てきた。
この雪渓を潜り抜け、大きな塔のようなスノーブロックに隠れていた2Mの滝を左岸から巻く。
少し登った所が台地状になっているので、長めに巻いていくと、ブッシュの切れ目から沢床が見下ろせた。
開けていて滝もないので、下降して最後は懸垂で沢床に降りる。
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少し歩くと黒岩谷出合に着いた。
出合の先で人の足跡を発見、まだ新しい。
後で分かったことだが、黒岩谷から単独の釣師と、4人の沢登りのパーティがいた。
これで夕食にイワナを加えることを諦めることに・・・
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出合からは、次第に河原が多くなる。
中州だが、小石の平坦な河原を幕場に選んだ。天気予報は晴れだ、大丈夫だろう。
前日の幕場と比べると雲泥の差だ。
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21日
この日の遡行は河原歩きから始まる。
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右に大きな枝沢を分けると、大釜を持った12M滝が懸る。
ここで、単独の釣師がルアーで良型を3匹あげていた。
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12M滝と続く小降りな滝を巻くと、穏やかな渓相の谷が続く。
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河原が多くなってくると、吹沢谷出合だ。
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巻いた12M滝以来で、5M末広滝が懸るが簡単に登れる。
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1020M付近で谷が曲がりくねっている辺りでは、両岸が切り立ってきてゴルジュになるが、何もないまますぐに開ける。
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1080M辺りから再びゴルジュとなる。右岸に枝沢を分けると、末広の小釜があり、その先に雪渓が出てきた。
・・・と思ったら、雪渓の下から人が・・・、先行パーティが引き返してきた。
話によると、雪渓の下に泳がなければ突破できない釜があって、一旦雪渓が切れるが、さらに雪渓があって、その下に滝が懸っているとのことだ。先行パーティはここを大高巻きするか、撤退して転進するそうだ。

小釜の側壁を越え、雪渓を潜っていくと、話通り泳がなければ突破できない小釜があった。
雪渓は左岸に口をあいていたが、そこから上へ行くのは無理。
先の雪渓は天井低く厚みがあって、崩落の確率は低そうなので、突破が得策と判断。
I氏が泳いで突破する。
次の雪渓の下の小滝は簡単に登れ、あとは平凡な流れが続くが、さすがに雪渓の下は寒い。
途中で右側に開いた穴から左岸を登って雪渓上に出る。
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小滝が懸るところと、雪渓とが交互に現れる。
短いのは潜り抜け、長いのは上を行く。
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雪渓がなくなった辺りは平凡な小川のような流れだが、次第に狭いゴルジュに小滝が現れるようになる。
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1200Mを過ぎて斜度が出てくると、ひたすら滝が続く。
残置ハーケンでA0で登った8M滝以外、難しい滝はないが、微妙に滑っていて、アクアステルスのI氏にとっては登攀グレードが2つくらい上がってる感じだった。
1450M付近で二俣に分かれる直前は、一つの滝だか、小滝が連続するか判断しがたい瀑流帯だ。
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窪は稜線近くまで続いており、ボサを分けて進む程度で栂海新道に出た。
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犬ヶ岳山頂までは一投足。
ガスがかかって、景色は・・・。
栂海新道なんてマイナールートだろうと思っていたが、栂海山荘は大混雑。
かろうじて3人潜り込むことができた。
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22日
沢屋の朝は遅い。
登山者がいなくなったころに朝食を摂って、すがすがしい朝日を浴びる。
さぁ、これから下山だ。
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先行した登山者の半数近くを抜いて坂田峠に到着。
ほとんどの登山者は親不知を目指して縦走を続ける。
ここから林道を歩き、I氏がヒッチハイクで工事車両をゲット。
一人下界へ向かい、タクシーで戻ってきた。小川温泉まで約13,000円。
タクシーの運転手の話によると、白鳥山の小屋のてっぺんに登れば、DoCoMoとauなら電話が繋がるそうだ。
今回は、小屋の下で、auの電波が入っていたが、繋がらないので諦めてしまった。
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やっぱり大きな沢はいい。
水量が多く、水が冷たいので、暑い時期に訪れたい沢だ。
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2017.10.07-09奥鬼怒湯沢
2017.10.08-09_大石川イヅグチ沢etc
Comment
Iさんの計画が実現してよかったですね。

いいなぁ~
ナメコ・・・(じゃなくて!)
すごいな~
大水量、取り付けない滝。。。

読んでいて面白かったです(^-^)
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逍遙溪稜会(しょうようけいりょうかい)

Author:逍遙溪稜会(しょうようけいりょうかい)
東京を拠点として、沢登りを中心に活動する山岳会です。
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