2015. 07. 13  
西の沢は、地形図から読み取れる様子では、加治川ダムより下流の加治川右岸の沢の中ではかなり厳しい沢であることが予想されるが、本人の希望と、M氏の後押しもあり、T氏を同行させて遡行することにした。

林道から赤津沢へのアプローチでは、左岸にある鉄格子のトンネルを潜る。トンネルを抜けると、左岸から滝を懸けて枝沢が入り、アルミ製の橋を渡って50Mほど道を辿ると堰堤に出る。
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しばらくは、両岸ともに目の高さに緑が見えるが、次第に岩が切り立つゴルジュとなる。二つ目の雪渓には釜があり、本流からは勢いよく水流が流れ込む。右岸に滝を懸ける枝沢のザレ気味の左壁を登って、雪渓の下から這い出る。出口にはブロックが散在して落着けない。
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切り立った泥壁から灌木帯に取り付き、右岸を高巻く。雪渓を下に見ながら、急傾斜が続く。傾斜が緩んだところから、下降気味にトラバースして、懸垂8Mを交えて沢身に降りると、そこはウド畑だった。今回の赤津沢の遡行で、唯一和んだ雰囲気の場所だ。
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もう一つ小さなブリッジを潜り抜け、切り立った両壁の間を通り抜けると二俣に出る。
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西の沢には末広の8M滝が懸る。水流の左側に取り付いてみるが、落口が近づくにつれホールドが遠くなるので、一旦クライムダウンして、右岸のルンゼを少し登って、落口へ向けてトラバースした。荷揚げして、後続を確保する。
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すかさず3M滝。右側に大きなチョックストーン。左手前で壁に乗り、灌木に捨て縄をかけて、水流の左側のスタンスに乗り移った。ここも荷物を渡してから後続を確保した。
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CSを越えたのも束の間、垂壁を割って吹き出すような10M2段滝に、高巻きを余儀なくされる。ここも右岸のザレたルンゼを登って、灌木帯に取り付く。延々と登り、トラバースして、最後は30Mロープいっぱいの懸垂で沢身に戻った。
飯豊入門編は体験したとはいえ、飯豊スタンダードは初めてのT氏にはかなり応えたようだ。
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昼食をはさんで再び遡行を開始すると、早速釜を持った6M滝に出鼻を挫かれる。既に13時40分だというのに、予定の3分の1も進んでいない。左岸の小尾根状から灌木帯に取り付くが、ここもなかなか悪い。私の知ってる飯豊前衛の沢そのものだが、今回の遡行はここで終わった。6M滝の先には悪相のCS滝もあり、その先まではトラバースしたいところだ。しかし、T氏にトラバースを続ける余力はなく、途中のルンゼのテラスから直上するときに数メートル滑落される。たいした斜度ではないので、体力的・技術的に限界だったのだろう。この時点で、退却を決めた。尾根上の等高線が緩む地点をめざして、登り続けた。
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尾根に登り着くと、平坦なテラスが散在するブナ林が広がっていた。水は尾根の反対側の東ノ沢に注ぐ枝沢で得ることができた。
焚き火はないが、遥か下方に沢音が聞こえる静かで快適な幕場だった。
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近くのブナの幹には、クマが登った爪痕があった。
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翌日は、東ノ沢へ向かって尾根を下降し、水を汲んだ枝沢の出合付近に降り立った。
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東ノ沢の左岸にとりついて、直上とトラバースを交互に右上方へと進む。途中で何度か小さな沢を横切るが、地形図では浅い沢にもかかわらず、両岸は泥付なので、横切るのも一苦労。T氏からは泣きが入る。
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ようやく、赤津沢出合を基部に持つ尾根に乗ると、明瞭な踏跡があった。若干険しい所もあるが、道ができていると、楽に距離を稼ぐことができる。最後は尾根の末端より加治川上流側へ20Mくらいのところに出た。
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炎天下の林道を歩き、途中で蕨を収穫して、加治川治水ダムに戻った。駐車場付近に流れ落ちる枝沢の水が、とても冷たくて気持ちいい。
今年の加治川は、水量は多くないようだ。いくつかの支流も、去年より水が少なく感じられる。ただ、西の沢の水量は多かったようだ。もう少し水量が少なければ、滝身に沿って登れたところも、もう少しあったかもしれない。今回は絶好の沢日和だったが、野望に向かっては足踏みとなってしまった。
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Comment
No title
今回は私のせいで敗退となってしまい、申し訳ありませんでした。
どの巻きも大変で、飯豊の厳しさを目の当たりにし、体力と技術の無さを思い知らされた2日間でした。
でも、もう二度と行きたくない!とは思っていないです。。。(強がりか?!)
修行を積んで再チャレンジしたいです。
何度も助けていただきありがとうございました。

快適な幕場での南インド料理(!)と噂の塩漬け肉を使った煮込みで死闘を少し忘れることができました。ごちそうさまでした。
No title
パーティを汲んだ時から「怖くなったので辞めます」なんて言われたら困るなぁと思ってましたが、大丈夫そうですね。
No title
一点、気が付いたことがあるので、書き留めておく。
今年のこの流域は、この時期にしては、毛虫が少なかった。いたのは結構大きかったので、羽化してしまったのかもしれないし、卵から孵った数が少ないのかもしれない。
ちなみに、弥平四郎や川入の林道には沢山いた。
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