2014. 08. 17  
夏の会山行は飯豊川へ。今年の加治川シリーズの核心となるルートだ。
6月以降一向に上がらぬ気温の影響による残雪・水量の多さと、本日程の天候不順に悩まされながらも、かろうじてその魅力の一端を垣間見てきた。

8月12日 (くもり、昼前から夕方にかけて雨):加治川治水ダム~湯の平温泉(入渓→撤退)
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湯の平温泉の蟹湯の源泉付近で入渓するも、いきなり激流の洗礼を受ける。左壁沿いを行くが、流れに逆らえず、浅くなるところまで左壁をへつる。

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谷が左に折れて、入渓点から60~70Mあたりにある、2条の落ち込み。右壁沿いに泳いでいくが、簡単に押し戻される。仕切りなおして、左側を途中までへつって、岩上に登って、落ち込みを越えたが、ここで雨が降り出したので、湯の平山荘に引き返した。
過去の記録を見ても、ここで苦労している様子は見られない。この先一層厳しくなるとすると、とても遡行できたものではない。側壁や河原の石についた水苔のラインを見ると、水面はちょうどラインの位置だったのだが・・・。

8月13日 (くもり):湯の平温泉~孫左衛門沢左俣~洗濯沢出合
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下部ゴルジュ遡行を諦め、孫左衛門沢左俣を下降して、不動滝上の河原に降り立つことにした。孫左衛門沢左俣はゴーロ続きの下降向きの沢だ。

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孫左衛門沢出合から洗濯沢出合までは平凡な瀬が続き、右岸左岸交互に河原がある。

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洗濯沢出合は広大な河原となっている。ツェルトを張った位置から、洗濯沢を眺める。斜面沿いに雪田が残り、雪田の奥の岩壁からは水が湧き出していて、美味い水が得られる。

8月14日 (晴れ):洗濯沢出合~天狗沢出合(御西沢出合まで往復)
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赤渋沢出合の先のゴルジュには、靄に包まれて雪渓が架かる。雪渓の下は靄と暗さとで、何も見えない。

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少し戻ってゴルジュ入口手前のルンゼから高巻くことにした。このルンゼは上部で急な草付となるので、途中で右側の樹林に逃げて、煩い石楠花をかわしながら尾根上まで登った。

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先ほどの雪渓は切れていたが、上流には別の雪渓が架かっている。途中でクラックが入っているので、その先に降りられるところを探しながら、上流方向へトラバース気味に下降する。

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最後は草付を下降して、雪渓上に立つことができた。

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高巻きから降り立った先にもクラックがあり、懸垂確保して上流側の雪渓に乗り移った。さらに乗り移った先の雪渓から、懸垂で沢床に下降する。

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このあたりは、ゴルジュ入口から文平の滝の間で唯一沢床を歩いた貴重な区間となった。

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前方、地蔵カル沢出合の手前が崩壊した雪渓で塞がれていたので、屈曲点の左岸リッジ状の壁に取り付いて高巻くことにした。このリッジ状の上部に続くルンゼを詰めて樹林帯に取り付くが、ルンゼを登るにつれて壁がボロくなってきて、予想外に苦労した。

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ルンゼ上部で左側のブッシュ付きリッジに乗り移る。上流を見渡すと、延々と雪渓が続いていた。雪渓に乗れそうなところを見繕いながら、懸垂2回を交えてトラバース気味に下降した。

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滝谷沢出合を過ぎ、バンクの付いた起伏の激しい雪渓を歩く。

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滝谷沢の次に出てくる右岸枝沢の出合付近で、雪渓が途切れていたので、左岸の草付に取り付いて高巻き、上流側の雪渓に乗り移ることにした。
下降しようとしたところに残置シュリンゲがあったので、これを利用して懸垂で雪渓脇に降りた。この雪渓と下流の雪渓の間に10Mくらいの滝が落ち込んでいた。

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御西沢出合の先まで、幕場適地を偵察しに足を伸ばしたが、良いところが見つからず、天狗沢出合に戻ることにした。

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天狗沢出合のビバークサイト。地面が露出しているように見えるが、雪渓上に土や砂利が堆積している。銀マットの遮温能力では足りず、空にしたザックを敷いてようやく眠りに付くことができた。

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雪渓上の倒木を集めて火を熾す。松の倒木のおかげでよく燃えたが、雪渓を50cm掘るに過ぎなかった。

8月15日(朝のうち晴れ、昼前から曇り、午後風雨強まる):天狗沢出合~文平沢右俣~大日岳~梅花皮小屋
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午前中は晴れ。雨だったら天狗沢を詰める予定だった。
雪渓の末端から懸垂で文平の滝の左壁に降り、リッジ状のところを登った。セカンドのI氏が登り出すころ、雪渓本体から剥離していた半ブリッジの一部が崩落した。左側に見えるのが崩壊したてのブロック。このリッジ、意外に悪かったが、登ったラインより10M程左側には残置ハーケンが見えた。上部も不安定な浮石が多く気が抜けなかった。

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二俣を覆う雪渓下の10M滝を右岸から高巻く。ガレに取り付き、上部の急な草付をアイスハンマーを使って強引に登りきり、雪渓上に懸垂で降りた。

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右俣の右岸に雪渓の末端がかろうじて接しており、そこから右岸に乗り移って、バンドをトラバースして滝上へ。足下には20M滝を懸けて、水流が雪渓の下に消えている。

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右俣に入ると、滝が連続する。8M斜瀑は右から登るが、不安定な石が散在して、簡単な滝ながらも意外に神経を使う。

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10M「く」の字形スラブ状の滝は右岸の草付から高巻いて落ち口に出た。スラブ滝の上にも小滝の連瀑が続く。

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いくつか小滝を越えると、10M滝が二つ続く。右岸のブッシュ付きの尾根状の斜面に取り付いて、ブッシュ交じりの草付をトラバースするが、上流側の滝の落ち口へトラバースするところが少し悪かった。

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上流部にも長い雪渓があり、雪渓を末端まで登った所から、露岩混じり草付をトラバースして流れに戻った。
戻ったところは連瀑帯だった。

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先の連瀑が最後の滝となった。

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流れは最後、雪田の下に消えた。

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急傾斜の草原を登って登山道に出て、登山道を西へ向かって大日岳山頂に至る。最後の滝を登っている頃に立ち込めてきたガスがすっかり濃くなって、視界はほとんどない。
ここから強風と叩きつける雨に悩まされながら、梅花皮小屋へ向かった。

8月16日(雨のちくもり):梅花皮小屋~湯の平温泉~加治川治水ダム
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翌日は北股岳山頂からおいうんの尾根を下降した。北股岳と中峰の間は廃道となっているが、狩り払いされた明瞭な道が続いていた。廃道への入口はビニール紐で通せんぼされている。

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赤谷林道では蕨を積みながら歩く。加治川治水ダムの見慣れた光景が近づいてくると、長い下山もようやく終わる。

今回の山行では、下部ゴルジュは遡行できず、中部ゴルジュから文平の滝の間は雪渓に埋もれて、どんな渓相か分からずじまい。残雪が少なく、天候が安定した夏に遭遇できたら、是非とも再訪したい。
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Comment
No title
険谷悪渓遡行お疲れさまでした。
天候と雪渓にはばかれ、飯豊本谷の全容が見れなかったのは
心残りですね。今年は気圧配置が悪かったので心配でしたが、
この状況下の遡行は感服します。
心配性の私はとても入渓できません。
沢ヤカ男
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