2012. 10. 11  
最近入会したメンバーに朝日の主稜線に詰め上げる沢を体験してもらいたいと思い、朝日の沢では入門クラスの朝日俣沢を計画した。特に、夏合宿で根子川入りソウカ沢を目指したパーティは雨にたたられソウカ沢へエスケープを余儀なくされたとのことだったので、朝日の沢の美しさを堪能するには朝日俣沢は格好のルートだと思ったのだが、参加メンバーは1名というやや寂しい結果となった。
自分自身は2006年に遡行しており、幕場にした950m地点の滝と岩魚止沢の大滝が記憶に残る程度だったが、記憶から消え去っていた滝やゴルジュがあり思った以上に楽しめた。

PA060137.jpg
出合から入渓すると、間もなく現われる小ゴルジュ。さすがにこの時期になると濡れたくないので右岸の台地から巻く。
その後上ノ大沢出合まではほとんど河原歩きに終始する。このまま幕場に着いてしまい時間を持て余すのではないかとすら思っていたが、そこから記憶から消えていたゴルジュが現われ、幕場到着は15時過ぎという程よい時刻になっていた。正直なところ、幕場にしたのはこのゴルジュの手前だったのではないかとすら思ったほど、このゴルジュの記憶は消えていた。

PA060145.jpg
上ノ大沢を分けると、しだいに両岸が立ってきて6mの滝が現われる。これを越えるといよいよゴルジュ帯となり、10m、8m、12m、3m、8×10、8m、4mと滝が続く。上ノ大沢出合から幕場までは1時間半の行程だったが、楽しかったのであっという間に過ぎてしまったような気がした。

PA060152.jpg
たぶんゴルジュの中にあった12m滝。巻いたり直登したりと楽しいところだ。

PA070157.jpg
950m幕場に落ちる10m直瀑。ここは良く覚えていた。以前我々が泊まった場所には、なんと先行パーティがいた。こんなところでこんな時期に他パーティに遇うとは思ってもいなかった。しかも、声をかけてみると一人はかつての逍遙に在籍していたという。奇遇とも言えるし必然とも言えよう。改めて沢登りの世界の狭さを実感した。幕場の準備を終えてから、しばしこちらの先行パーティの方々と合流して語らいながら酒を楽しんだ。

PA070160.jpg
以前遡行したときには幕場の滝は巻き気味に右岸に取り付き落ち口目指してトラバースしたが、今回は少し大きめに巻いて、上部に続く小滝と5m滝の上に降りた。少し進むと、十字峡の様に枝沢が合流している。正面には僅かにスノーブロックが残っていた。

PA070161.jpg
やや開けた空間に12m滝が懸かる。開放感あふれる光景だ。ここは右側を簡単に登れる。
この後6m滝を越えると、谷筋は三俣に向って真っ直ぐに伸びる。標高にすると1070mあたりからだ。この辺りの右岸にテントひと張り分くらいの台地があった。滝がない分だけ静かな夜を過ごせるに違いない。

PA070169.jpg
岩魚止沢出合。正面の滝を越えたところで左俣が滝を掛けて出合っている。岩魚止沢への登路と同様右壁を登って、トラバース気味に上流に向って正面の滝を越える。中俣は大朝日岳と平岩山のコルに突き上げるが、ひたすらゴーロ歩きに終始する。結果から言うと、下降向きの沢で、左俣遡行-中俣下降とするのが正解だった。

PA070174.jpg
右俣の上部はたおやかな平岩山を水源とするだけあってなだらかかつ開放的。藪も少なく草原が広がっている。さらに下降して窪に入ると、正面下方に岩魚止沢の大滝を見下ろす絶好のビューポイントとなっている。

PA070176.jpg
下降するにつれて滝が出てくる。落差はそれほどでもないが、8mくらいまでの滝が10以上あった。

PA070179.jpg
出合も近くなってきたところに現われた6m滝は残置ハーケンを利用して懸垂下降した。さらに出合に懸かる4m、2mも巻いて懸垂で出合に降り立った。

PA070184.jpg
中俣へ向ったときとは逆方向に中俣出合の滝を左岸の壁を登って、そのまま岩魚止沢に入る。3~4mの滝をまとめて三つ巻いて、さらに5m滝を登ると正面に大滝が現われる。

PA070188.jpg
大滝を越えても、さらに滝が断続的に現われ息を抜けないが、総じて両岸は明るい草付きだ。ここは唯一ゴルジュを呈する10mCS。この滝は右岸を巻いた。

PA070197.jpg
1600m前後まで滝場が続き、ほとんどが登れるので全く飽きるところがない。

PA070198.jpg
最後は草原となり、ブッシュ帯の合間を縫って進むと、ほとんど藪漕ぎなしに中ツル尾根の登山道に出る。大朝日岳山頂まで標高差約20mの地点だ。
中俣-右俣もやったので、さすがに残された行動時間が少なくなってきたため、大朝日小屋に泊まることにしたが、小屋は満員で中には入れず、外にタープを張って夜を明かした。この晩は今秋一番の冷え込みとなったそうで、朝起きて撤収するときには、前日の遡行で濡れたロープやスパッツが凍っていた。
スポンサーサイト
NEXT Entry
秋の集中2班(オンボロ沢)
NEW Topics
2017.09.20-24 長走川周遊(大滝沢~白滝沢~赤抜ゲ沢~杉ノ沢)
2017.09.15-17 白蓬沢右俣~引上ゲ沢~白滝沢~柳小屋沢~大倉沢(左岸尾根)
2017.09.16 南カドナミ沢
2017.09.09-10 苗場釜川右俣
2017.09.09-10尾白川本谷
2017.09.0-04 某沢(其の二)
2017.08.26 長走川 黒森沢
2017.08.19-20 宝川板幽沢~ナルミズ沢
2017.08.17-20 某沢
2017.08.11-14 楢俣川日崎沢-沢種沢
Comment
No title
アブブヨのいない朝日はいいですね。
自分は腰のせいで山行は当面お預けになりそうです。
トホホ・・・。
No title
中俣遡行~左俣下降~岩魚止沢遡行は、一度この地を訪れて刻まれた印象が計画となって実現したもので、こういった山行は実にいいものですね。

殆ど未知の部分に触れる愉しさは沢登りの醍醐味だと思います。
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

逍遙溪稜会(しょうようけいりょうかい)

Author:逍遙溪稜会(しょうようけいりょうかい)
東京を拠点として、沢登りを中心に活動する山岳会です。
このブログを訪れた方は、会員以外の方も、気軽にコメントを書き込んでください。
新人募集中!

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索フォーム
カテゴリ