2015. 09. 27  
個人的な話であるが、日本300名山でただ一つ登り残しているカムイエクウチカウシ山に沢から登る計画を昨年から井谷リーダーのお願いし、今回実現した。リーダーも羆の巣?であるコイボクカールでのテン泊に強いこだわりを持っていた。

初日は、札幌8:10発のバスで荻伏市内へ向かう。バス停で予約してあったタクシーに乗り込みカムイ山荘へ。ペテガリ山荘へ向かう枝道でタクシーを降りて支度、すぐ沢を渡渉するが昨年より相当水量が多い。すでに3回目となる通い慣れた沢を登り、鞍部を乗っ越して林道に出る。林道を一時間強歩くとペテガリ山荘へ到着。先客有りだが、2階は貸切で利用できた。

二日目の午前中6時間は林道歩きだ。コイボクシュシビチャリ川沿いの林道には道道の看板があり、舗装はされていないが十分2車線は取れる道幅で整備されている。これを利用しないのは税金に無駄遣いでは?
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2車線道路はナナシ沢川を渡ると普通の林道に戻る。この道は中札内まで繋げる予定だった林道のようで、ところどころ立派な橋が建設途中で打ち捨てられている。清和橋手前の立派な橋は通行止めとなっているトンネルの中に消える。ひょっとしてトンネルは中札内まで通じているかも。我々の辿る林道はこのトンネルの上部を通って入渓点である清和橋に通じている。清和橋脇で昼食後、やっと入渓する。ここから1時間強はゴーロ歩きである。倒木が多く沢は荒れた印象。

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Co610を過ぎると沢床が岩盤に変わりゴルジュ帯に突入する。
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経つったり小さく巻いたりして進む。一旦ゴーロとなり、Co650過ぎで再びゴルジュ帯となる。途中深い釜を嫌って左岸を巻いた。
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ゴルジュ帯のどん詰まりは洗濯釜ノ滝である。写真だと明るく見えるが、実際は暗く取り付くと渦に巻き込まれそうな印象。ここは右岸から簡単に巻ける。
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この先は再びゴーロとなる。予定ではCo820三俣で泊まる予定であったが、林道歩きの疲れが出てきたので、Co740付近で幕とする。
薪は豊富にあり、星空を眺めながらいい夕べを過ごす。
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三日目がこのルートの核心の日である。
Co900付近まではゴーロが続く。両岸が迫ってきて左に折れるとゴルジュ帯に入る。
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最初の二つの滝は簡単に越す。少し歩いて2mCSと5mCSの連続滝となる。
2mCS滝は右岸から簡単に巻けそうであるが、リーダーは敢えて突入し全身ずぶ濡れになり突破。私だけ巻くわけにもいかず全身ずぶ濡れ。次の5mCSは登れず右岸から巻く。
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巻き上がるとその先に登れなさそうな3条7m滝とその奥は劣悪そうなゴルジュ帯となっている。
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一方巻きルートを見ると灌木帯が近くにありゴルジュ帯をまとめて巻けそうである。
ここは灌木帯に取り付いてゴルジュ帯の上までまとめて巻いてしまう。
沢に戻り、8x16m滝、S字10x12m滝を越えるとCS5m滝。これは左岸から巻いて懸垂で戻る。
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しばらく5−8mの斜滝が連続するが問題なく越えられ、核心のCo1200奥の二俣に迫る。
二俣直下の滝は登れず、リーダーが左岸の岩を登って偵察に行く。
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リーダーからOKが出て私も上がるが、沢には斜め懸垂でなければ降りられずリスクが高いので左岸を巻くとの判断。
樹林帯まで登り右又のCo1250付近に懸垂2ピッチで降りる。
巻き途中から見た核心部はなんとか登れそうな雰囲気で、リーダーも長いザイルがあれば懸垂で降りたそうであった。
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右又は左又に比べると優しい感じでこのまま遡行したい誘惑に駆られるが、今回の目的はコイボクカールに泊まることにあるので、右又のCo1270付近から左に延びる枝沢を登って左又に復帰することとする。
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Co1450付近まで登ったが笹が濃いので左又が見えた時点でトラバースはあきらめ下降に入り、左又のCo1350付近に降り立った。核心部はすでに終わった後のようで、上部には優しい風景が広がっていた。
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すぐ上の12m斜滝は右岸側を小さく巻いて越える。その後の2段8m、続く4mを越えるとCo1436の三又状に出る。水量は左が若干多いが、方向的には真ん中と判断して中又を遡行する。いくつか滝を越えるとCo1536付近で水枯れとなる。
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水筒に水を補給し、さらに登る。上部に出るとコイボクカールが広がるが、中心はもっと左のようだ。左にトラバースすると水流がある沢に出た。先ほどの三又は左が正解のようだ。
程なく平らな土地を見つけるが、熊の糞が多くまさにカムイミンタラ! ちょっと不安となる。
あきらめていた薪もハイマツの枯れ枝が結構あり、集めれば焚き火はできそうだ。
薪を集めながら上部を偵察するとCo1670付近に平な土地を見つけてここを今宵の宿とする。
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四日目も4時起き。風が強くて寒い。一旦消えた薪に火がつかず30分程度格闘。なんとか火をつけて朝食をとる。
結局出発は6時半すぎとなった。上部に続く急な沢型を息を切らせて詰めると、少し這松を漕いだら登山道に出た。
荷物をここにデポし、カメラを持ってすぐそこのカムエク山頂を目指す。10分ほどで到着した。
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手前に昨夜を過ごしたコイボクカール、遠くに来年の目標である1839峰を望む。
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しばらく滞在した後、下山にかかる。稜線から昨日泊まったコイボクカールと反対側の八の沢カールが良く見える。
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八の沢は、すでに立派な登山道となっており、沢を歩く部分はほとんどない。
カムエクをここから登っても大きな感動はなかったであろう。
八の沢の中流部には雪渓も残っていた。ゴーロ帯に入ると踏み跡も不明瞭になるが、沢屋にはあまり関係なく河原を歩けば良い。振り返れば八の沢の全景が望めた。
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山頂から約4時間で札内川本流に出た。札内川本流は水量が多く、増水したら停滞を余儀なくされるだろう。
渡渉地点以外は川岸に踏み跡があり、時間を短縮できる。七の沢出合からは林道があり約1時間半で札内川ヒュッテとなる。今回は札内川ヒュッテの駐車場でレンタカーの人にお願いしてナウマン温泉まで送ってもらい、これにより半日早く下山できた。この温泉には無料のキャンプ場、そして近くにコンビニもあり、最高のロケーションである。

最終日はバスで帯広に出て、JRで札幌に戻る。札幌ビール園で打ち上げをして解散した。

カムイには会えなかったけれど、カムイミンタラ、カムイエクウチカウシを堪能した旅であった。
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2014. 09. 09  
9月4-8日。K原さんと二人で北海道は日高に遠征。ルートは中級のペテガリ川A沢である。

ペテガリ川の突き上げるペテガリ岳はかつて遥かなる山とも称され、初登頂は昭和7年の慶応隊。厳冬期の頂はさらに遅れて昭和18年、3年前の雪崩事故で多大な犠牲者を出した北大隊が雪辱したという。

4日 新千歳空港~神威山荘~ペテカリ山荘
新千歳からはレンタカー。ペテカリ山荘へ直接行ける道道・静内中札内線が30キロほど手前で車両通行止めになっているので、神威山荘から山越えルートをとる。結構多くの人が使っているのであまり登山道と変わらない。
ペテカリ山荘は広く、清潔でいいところだ。ストーブ、流し、トイレ完備で我々のほかには誰もおらず、快適。
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5日は天気が悪く一日停滞。K原さんが釣りに出掛け、3匹ほど釣ってきてくれた。ストーブで塩焼きにして食べる。

6日 ペテカリ山荘~ペテガリ川遡行~A沢出合手前テンバ
この日はペテガリ川の函状地形を行く。僅かに増水しているが遡行に支障はない。

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最初は穏やかな河原。

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だがすぐにゴルジュが出てくる。この川のゴルジュは全てツルツルに磨かれているわけではないので、弱点を見つけて楽しく突破できるところが多い。

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岩が黒く、暗い。

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下の大滝10mは左岸の小尾根に取り付いて高巻く。

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ちょっとテクニカルなへつりを楽しむ。

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だんだん岩が白くなってきたのがお分かりだろうか?

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やや冗長にも感じる函状地形が終わると明るい渓相になる。

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この日はB・C沢出合を少し過ぎたところの台地で泊まる。人の胴ほどもある薪がごろごろしていて盛大に焚火をやった。

7日 A沢~ペテガリ山頂~西尾根下降~ペテカリ山荘
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前日とは打って変わってA沢は滝の連続。ひたすら滝を登って高度を稼いでいく。

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A沢の2段30m滝。右岸に取り付く。

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草付を滝頭へトラバースするK原氏。

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岩盤が発達し、支流からも大滝が注ぐ。

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登れる滝が多く、ぐいぐいと登攀がはかどる。

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こんな滝もあって楽しい。

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Co1200を過ぎ、沢はV字状になっていよいよクライマックスを迎える。

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崩壊のガレと滝を登っていくと、奥の大滝80mが天空から降り注ぐ。

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奥の大滝は時間があれば登れそうだが、今回はルンゼを使って巻いた。

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源流で後ろを振り返ると、ガスの中から中ノ岳が見えた。

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沢を終え、ペテガリ山頂目指して東尾根を行く。東尾根は登山口から12時間はかかる長大な尾根で、踏み跡はわずかだ。

登頂後、西尾根を5時間かけてペテカリ山荘に降りる。アップダウンが結構あってハードであった。

8日 ペテカリ山荘~神威山荘
晴れて爽快な大気の中往路を戻る。お疲れさまでした。

ritani
プロフィール

逍遙溪稜会(しょうようけいりょうかい)

Author:逍遙溪稜会(しょうようけいりょうかい)
東京を拠点として、沢登りを中心に活動する山岳会です。
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